いつか

いてもいなくてもいい人間

飛ぶ

そんな状態で仕事をしているのに週に一度位のペースで店長の相手をしないといけない

 

客相手にすれば何万にもなるプレイを無償でさせている

馬鹿らしい

 

全く情がない訳では無いが相手への執着心や依存心を愛情だと勘違いしてるだけで私が望むことは何もしてもらえない

そもそも私は人に求めないからこの店長に何を求めていたのだろう

相手に文句を言われないよう、怒られないよう、演じ続けるのに疲れた

仕事でお金になるならまだしも

私が演じて耐えれば耐えるほどこの男は勘違いを続けて自尊心を満たしていく

 

私は自分の衣装や道具を一式全部持ってこの店を飛んだ

 

普通の店と違うのは、自分で使う道具や衣装は自前で揃える

最初は簡易的な初心者用セットを用意してくれる店もあるが(それでも給料から天引き)、自分のプレイスタイルやキャラに合わせて自前の道具を揃えていく

大きいキャスター付バックからひょこっと鞭の端が数本飛びててる女性を見掛けた人もいるかもしれない

 

それは私がいた店の世界の女性だ

 

相互

店長のプレイに耐えつつ仕事もやりつつ過ごしていたが、やはり半年ほど経つとしんどくなっていた

普通の店じゃないし普通のプレイじゃない

本番強要をされる事は殆どなかった

稀に私が受け身になるSコースで突っ込んで来る人はいた

客層が年齢層は上がる分一番紳士的だと思う

穴に入れる事よりもっと変態な事がしたくて来てるからだろう

 

稼ぎを良くする為に、全コース対応可能にしてたので、精神の振り幅を都度変える分負担は大きい

感情を昂らせて客の望むように演じ攻めた後、客に土下座して挨拶し被虐的な声を上げて、踏まれ叩かれる

 

勿論良い事もあって

実際に自分が受けたプレイで痛みの程度やどういう気持ちになるかが分かるので、自分が客を攻める時にも応用したり、

その逆で自分が攻めた時の客の反応でこう言われたら嬉しいとか興奮するな、とか相互補完出来た

 

体も頭もフル回転していた

 

 

 

そんなもの

ああ、またか

アイツと同じようにヘンなモノ使ってやりたいことやって

自分よりずっと歳下の女の体を使ってオナニーして楽しいか

 

耐性が付きやすい私は店長が喜ぶ悲鳴に似た喘ぎ声を上げながら

プレイ中考えていた

 

どうして40代の男って良くない物を使いたがるんだろう

自分の魅力だけじゃ女を思い通りに出来ないのかな

世間一般の男性がそうとは言わないが、20代男性の何度も復活する自信とか、30代男性の自分のテクニックで女性が感じた事に喜びを見出すようになるのとか、そういうの無くなった(元からなかった)のかなとか

自分の体に入れるならまだしも相手に使うなよ

ソレ使わないと女騙せないの?

 

こんなことを考えながらも半泣きで喘ぐのが女

 

そんな男にしか引っ掛からないのが私

そんな扱いしか受けない私がその程度なんだ

 

自己肯定感が低い女を意のままに扱い自尊心を得る自信がない男

自信がないから誰かの為に自分を消費し続ける女

この世界はそんなものだ

 

 

 

店長

その店の店長は自身はSだと言っていた

当時45歳とかだった

入店時講習を受けたのだが、プレイの練習も程々にヤられた

こういう店では珍しくない

特にここのように小さい店やグループ店でマニュアルきっちりの店でなければ、そんなものだ

 

以前闇金業者の人に聞いた話で

「俺の同僚は貸した人が返さない場合、その家族に娘がいたらほぼ犯す」と

その男は「仕事で性欲処理出来るから一石二鳥」と言うそうだ

 

その人も、私に貸すときに「俺が君に貸す義理も縁もないよなー」と言って私に自ら服を脱がさせヤられたけれど

 

 

男はこいつ(女)を利用しようと思ってたり下だと思っててもヤれる

女はこいつ(男)を利用しようと思ってても下だと思ってるとヤれない

 

 

店長は私に自分のヤりたいプレイを押し付けてきた

例のネタの男がやってきたのはなんちゃってSMだったが、店長はガチの方をやってきたのでキツかった

でもネタ男と共通してたのは

 

良くない物を使う

 

店長は私の後ろの穴を洗浄した後にカプセルに入れた物を突っ込んできた

小さな小瓶に入った液体の匂いを嗅がせた

その作用があったからプレイに耐えられた

 

 

 

 

 

転々

求人誌で探した箱型店舗で働き、店舗型の講習を受けて働いた

前の店と比べると箱型は客層が違うと思った

何より回転重視になる

接客して片付け、セッティングして自分のメイクを直して、を5分10分で終わらせないといけない

どちらが良いとか合うかは人による

 

この頃は数ヶ月働いては辞めるを繰り返していた

客は元々あまり信用してないが、店員が信用出来ないから

胡散臭いというか偽善というか

私達はただの駒で、ご機嫌取って出勤させろというのが彼らの仕事なのだが

 

姉の借金返したら目標がある訳でもなかったし

箱型が合わないのかもと思っていた

 

新しい店を探そうと求人誌を見ていたら、求人は小さいけれど可愛い名前の店があった

そこは普通の客が行く店ではない

まいっかーと応募し働くことになった

 

その店は大まかにMコースとSコースがある

客が受け身になり嬢が攻めるのがMコース

客が攻め嬢が受け身になるのがSコース

 

本人次第で受けるコースは選べれる

私はどちらも対応可能にしたのだが

見た目通りにMコースで来る客と

気が強いSっぽい女を虐めたいSコースで来る客

両方が来ていた

 

ネタをやっていた時に男に付き合わされていたプレイで、ある程度免疫が出来ていたので

こうすれば喜ぶ、こう反応すれば興奮する、は身に付いていた

あの男に感謝する事は出来ないけれど

過去の傷が役に立つ事もあると思った

再び

腫れも引いたのか前ほどの痛くはないものの、一ヶ月に二度位の脇腹の痛みに耐え、テレフォンレディをしながら夜型の生活を送っていた

 

当時その会社の課長と付き合っていた

その人には借金やネタのこと痛みの事、店で働いていた事を話していた

 

課長にはずっと一緒に住んでる女性がいて内縁関係だった

私は母の血をしっかりと受け継いでいた

辞めた会社にいた時も既婚者だろうが関係を持った

ヤっただけなら何十人もいた

あの店に入る事も躊躇なかったのはそういうお股の緩さもあった

若いときは男女限らず

 

この人に、この男(女)に、ヤりたいと認められた

という自己承認欲求があるのだろう

 

ヤッた後それきりになったり続いたり色々だった

本当に誰かを好きになった事はなかった

 

課長は会社に内緒で付き合っている、というのが嬉しかったんだろう

優しい人だったけど、一緒に住んでる女性の事考えると優しくなかった

 

ある日家に督促状が届いた

姉に名義貸した時に30万のローン組まれて結局返済してくれなかったみたいで

今の仕事でもコツコツ返せないこともないけど

 

もういっかーもう汚れたし、あはは

 

 

一度そういう世界に足を踏み入れると敷居が低くなる

課長への当てつけもあり、一度上がったのに私は自分で店を探して働くことにした

 

痛み

借金も返済して糸が切れたのか退店してから何もする気になれなかった

体がだるいのはネタの後遺症もあったと思う

男がいたときも切れ目のときはダルくなったり過呼吸のようになったりあったが、大量のポカリスエットを飲みお風呂で汗をかいたりして体内から抜けさることで持ち直していた

 

今度のはキツイ

でも、動かなきゃ

誰かが食事を作ってくれたり着替えさせたりしてくれる訳でもない

自分のことを面倒見てくれるのは自分しかいない

だるい体でも気合いで以前のテレフォンレディに復帰して働いていた

 

ある日の仕事中猛烈に左脇腹が痛くなった

慌てて休憩を取り、何かが捻れるような痛みを脂汗をかきながら1時間以上耐えた

 

漸く痛みは落ち着いたが原因が分からないと対処できない

下腹部、脇腹、、

私は仕事終わりの翌朝、産婦人科を受診した

 

卵管采の茎捻転

 

卵巣と子宮が通常の倍以上の大きさに腫れている

今回の痛みは卵巣の腫れによって支えている卵管の細い部分が捻じれていると

 

不正出血3回あったし、下腹部に鈍痛あったし

毎日あんなにしてたら腫れるだろうな

手術とかで治るものでもなく

腫れが治まれば捻じれも治まるから、とにかく安静にと言われた